【岩手弁】岩手県の方言「まかす」の意味と例文

方言

まかす

方言の地域

岩手県

方言の意味

岩手弁で「まかす」は水などの液体物を「零す」という意味が含まれています。
この方言ですが、少しだけ零したときではなく大量に勢いよく辺りに撒き散らかしてしまったときに主に使われています。

岩手弁では日常的に使われている方言でもあり、「お茶まかしちゃった(零しちゃった)」という風に使っています。
因みにこの「まかす」を標準語だと思い込み東京などで使い、周りの誰も知らずに恥ずかしい思いをする岩手県民も少なくないそうです。

他県でも使われている?

この「まかす」という言葉は岩手県の他にも北海道や青森県・秋田県の一部でも方言として使われています。
また、北海道では同じ「まかす」ですが秋田県と青森県では「まがす」という更に訛った言葉として使われるときもあります。

方言の由来

岩手弁の「まかす」ですが、「ぶちまける」の「まける」が「まかす」に変化したことが由来といわれています。
「零す」と言いながら液体物を撒き散らす所謂ぶちまけるという意味にも通じるものがあり、説得力がありますね。

「まかす」を使用した例文

みな
みな
もう、あんたったらジュースこったらもまかして!ちゃんとまかさねぁーように前見なさいっつったのになんでまかすかなぁ!
(もう、あんたったらジュースこんなにも零して!ちゃんと零さないように前見なさいって言ったのになんで零すかなぁ!)

ご、ごめんなさい……
孫

まぁまぁ、いいでねぁーの!まかしたのもお茶だし、それにフローリングだがらすぐに拭げるし乾ぐわよ!
(まぁまぁ、いいじゃないの!零したのもお茶だし、それにフローリングだからすぐに拭けるし乾くわよ!)
母

みな
みな
そうだんだども、そったな問題でねぁーのよ。私が言ってらのは!
(そうだけど、そういう問題じゃないのよ。私が言ってるのは!

分がるげどまずはこの子さ被らねぁーで良がったでねぁー。あのね、母っちゃんはおめはんが床にまかしたお茶を被って風邪を引いでしまうごどを心配して怒ってらのよ。んだがら次がらはちゃんと前を見でゆっくり運びなさい。ね?
(分かるけどまずはこの子に被らなくて良かったじゃない。あのね、お母さんはあなたが床に零したお茶を被って風邪を引いちゃうことを心配して怒ってるのよ。だから次からはちゃんと前を見てゆっくり運びなさい。ね?)
母

孫
う、うん…。ごめんなさい…

まとめ

岩手弁で「零す」、液体物を撒き散らす状態を意味する「まかす」についてご紹介してきました。
例文の一行部分がとんでもなく長くなってしまいました、我ながらめちゃくちゃ読みにくい…。

岩手県では「愚痴をこぼす」などの「こぼす」は方言ではなく標準語で普通に使われる方の「こぼす」をそのまま使っているので、この場合「まかす」と「こぼす」の両方使っていることになります。
ですので方言の「まかす」を使わない他県民の人からすると、ちょっとややこしい状態になっていたりします。文面から察する必要があるんですね。

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