桜島などの有名観光地や芋焼酎、黒豚といった沢山の特産物でも知られている鹿児島県。
九州でも特に人気がある鹿児島県民が話している鹿児島弁は、発声などが強く如何にも九州男児のような迫力があるとも言われています。

その鹿児島弁は県外の人が聞くと不思議で意味が分かりにくい方言でも知られていますが、その1つが「むぜ」という言葉です。
噎せている訳ではなく「むぜ」という鹿児島弁ですが今回はこの言葉の意味と例文などを中心に掘り下げていきたいと思います。

方言

むぜ

方言の地域

鹿児島県

方言の意味

「むぜ」は鹿児島弁で「可愛い」の意味を持っています。
「むぜ」ではなく同じ鹿児島弁でも「むぞか」と言う地域もあります。此方も意味は同じで「可愛い」です。

鹿児島弁では他にも「おかしむぜ」という褒め言葉があり、此方は顔が美人だったり可愛い訳ではないけれど無邪気で愛嬌がある、または笑顔が可愛らしい女性のことを表わしている言葉となっています。

方言の使い方

大人には使わない?

この「むぜ」という方言ですが、基本的に子供や赤ん坊の可愛さや無邪気さに対して使用する言葉なので、大人に対しては殆ど使わない鹿児島弁です。
例を挙げると、祖父母が可愛い孫を褒める時や目に入った子供や赤ん坊を可愛いと言うときなどに使います。

方言の語源

この「むぜ」ですが、語源は同じく可愛らしい・痛ましいという意味からなる「無慙(むぞう)」が訛って出来た言葉とされています。
この無慙も、元々は宇治拾遺物語にも掲載されている「無慙(むざん)」が変化した言葉といわれています。

したがってむざんからむぞう、そして現在の「むぜ」に時と共に変化していったことが分かります。
言葉も3文字から2文字の平仮名に略式されているのが現代風ですね。

「むぜ」を使った例文

美奈
美奈
こん写真に写っちょっ子、だい?目が大きってむぜねー!お人形どんみて!
(この写真に写ってる子、誰?目が大きくて可愛いねー!お人形さんみたい!)
ああ、そんたあてん友達んお孫どんじゃ。確か5つやったかしら?おやっどんが海外んしんごたっで、余計に綺麗なんねぇ
(ああ、それは私の友達のお孫さんよ。確か5つだったかしら?お父さんが海外の人みたいだから、余計に綺麗なのねぇ)
母親
母親
美奈
美奈
へぇー、5つでこれじゃあ将来はみんなが振り返っようなよかおごじょになっ可能性大やなあ
(へぇー、5つでこれじゃあ将来はみんなが振り返るような美人になる可能性大だね)

まとめ

鹿児島弁の「むぜ」についてここまで語ってきました。「むぜ」一言で可愛い、そして子供限定の言葉という色々盛りだくさんな方言でした。

某テニス漫画で熊本弁の「むぞらしか」が可愛いということはなんとなく知っていましたが、鹿児島ではそれを更に短く言っていたんですね。
同じ九州でも同じようで違う言葉、とても興味深いです。

また、宇治拾遺物語にも使われている単語が訛っていたものというのも驚きでした。
宇治拾遺と言えば、あの芥川龍之介も参考にしていた書物ですが、ここでその名前を聞くとは思いもよらなかったです。
遥か昔の言葉を自分たちが使っていると思うと、なんだか感慨深いものがありますね。

おすすめの記事