
活火山である「阿蘇山」がそびえ立っていることからか、別名「火の国」とも呼ばれている熊本県。
そして県内でも大分県寄りの地域にでは酪農が盛んで新鮮で美味しい牛乳が摂れます。
阿蘇くま牧場などの牧場では、この牛乳を使った絶品ソフトクリーム目当てに観光客が多く見られるほどです。
そんな火の国熊本県で使われている熊本弁は、九州弁ということもあり語気や訛りが強く、近年の方言ブーム以前から面白い方言として注目されていました。
この熊本弁から「がまだす」という言葉の意味と例文などを中心に語っていきます。
方言
がまだす
方言の地域
熊本県
方言の意味
熊本弁の「がまだす」には「頑張る」、「精を出す」や「働く」という意味があります。
因みに「がまだしなはるなぁ」という一文で「頑張っていますね」という意味になります。
2016年に熊本県が被災して以降、この「がまだす」を活用して県内の各地で「がまだせ(頑張れ)熊本!」という心のこもった横断幕が復興を応援しています。
方言の由来とは?
熊本弁「がまだす」の由来とされているのは「我慢出す」という言葉です。
『がま』が「我慢」からきています。
もしかすると「我慢する心を出すぞ!」という自分自身の心を奮い立たせる方言なのかもしれませんね。
方言について
地域によって方言が違う?
熊本弁では「がまだす」ですが、南部の地域にあたる天草では「せしかう」と言って使われています。
意味は「精を出す」「頑張る」といった「がまだす」と同じ意味もあれば「忙しく立ち働く」という「働く」は同じでも更に具体的な表現が追加されているのが特徴的です。
天草は世界遺産にもなった隠れキリシタンというキリスト教文化が根付いている地域ですので、その影響で方言も異なっているのかもしれません。
それを証明するように、天草の方言には「せしーなる」、「せしなる」という言葉があり、「施主」や「主になって活動する」の意味が含まれています。
キリスト教と共に歴史を歩んだ天草ならではの方言ですね。
「がまだす」を使った例文

(言うの忘れてたんだけど、私明日から仕事初めだから朝から行ってくるね)
(明日って4日じゃない!そんなに早く仕事なの!?一昨日の2日から2日間しかお休み貰えなかったの?)


(そうなの、これでも一応貰えた方だよ。仕事がアパレルだから休みが短いのはしょうがないんだけどね)
(そうなの…。お仕事なのはしょうがないけど、明日は雨が降って寒くなるから、帰ってくるときは特に気を付けるのよ)


(ありがとう、気を付けるよ。よーし、明日からの仕事初め、いつもよりもっと頑張るわよ!!)
まとめ
熊本弁「がまだす」や天草弁について語ってきました。
まるでガマガエルみたいな言葉ですが、「頑張る」などの意味を持つ素敵な熊本弁でした。
そして同じ熊本でも天草地方だと言葉が変わり、またキリスト教が関わっている方言があると分かりました。
個人的にはまるで人や文化や土地柄によって話す言葉も変わるんだということを目の当たりにしたかのようで、とても興味深かったです。