【熊本弁】熊本県の方言「ご無礼します」の意味と例文

くまもんが出て爆発的に売れたことでも知られている熊本県。
からし蓮根などの名産品でも有名です。そんな熊本県で使われている「ご無礼します」という方言、知っているでしょうか?

無礼をするって、今からとんでもないことしでかすのかな、とか一瞬思ってしまいますが、とても礼儀正しい言葉だったのです。
今回はこの「ご無礼します」や、熊本弁について語っていきたいと思います。

方言

ご無礼します

地域

熊本県

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「ご無礼します」の意味

失礼しますという意味であり、辞退する時や断る時に用いる方言として、熊本県などで使われています。
熊本県以外でも、名古屋や岐阜県でも使われている言葉で、まるで武士言葉のように印象的なので、世間では結構知られていると思われます。

このご無礼しますの「無礼」ですが、一般的には「無礼を働く」「無礼者」という意味もあり、熊本県などでは「礼儀を外れる」という意味で使われている言葉でもあります。
他にも愛知県では、一番風呂に入る時にも「ご無礼します」と言うそうです。

熊本ではご無礼しますですが、この無礼には他にも「ぶれい」「なめ」「むらい」と読むことが出来ます。どの言葉で表しても礼儀を外れる様を描いた言葉となっています。
因みに「なめ」は森鴎外の作品『うたかたの記』内に書かれています。

熊本弁について

熊本弁ですが、佐賀県や長崎県の方言と共に、筑前方言に分類されます。
熊本弁は県内で大きく北部方言と南部方言に、そしてその中でも八代・葦北方言や球磨方言、天草方言などの5種類に細分化されます。

語尾に「ばい」「たい」、接続詞に「ばってん」という言葉が使われるのが特徴で、これは筑前方言の要素であり、特に熊本県の北部方言に強く表れています。
また、アクセントも二手に別れており、東部・北東部は無アクセントで西部・南西部は二型式アクセントとなっています。

アクセントに関しては、近年無アクセント化が進んでおり、熊本市大部分を含みながら二型アクセントが使われている地域にも無アクセント化が進行しているなど、その範囲は拡大しています。

「ご無礼します」を使用した例文

先輩
先輩
明日ん歓迎会だばってん、君はどうする?たくさん人がおった方が盛り上がるて思うったいが、予定は空いとるかい?
(明日の歓迎会だけど、君はどうする?たくさん人がいた方が盛り上がると思うんだが、予定は空いているかい?)

申し訳なかんばってん、うちゃご無礼します。うち事で恐縮ばってん、どぎゃんしてん外せん用事が出来まして。
(申し訳ないんですが、私はご無礼します。私事で恐縮なのですが、どうしても外せない用事が出来まして。)
たく
たく

先輩
先輩
おや、そうなんかい。いや、よかったい。何も強制参加やなかけんね。
(おや、そうなのかい。いや、いいんだよ。何も強制参加じゃないからね。)

ほんなこつ申し訳なか。
(本当に申し訳ありません。)
たく
たく

熊本弁なのですが、筑前方言繋がりで所々博多弁の様にも感じますね。

まとめ

熊本弁などで使われる「ご無礼します」などについて綴ってきました。
無アクセントが進行してきているのは知りませんでしたが、その地域の特徴でもある方言のアクセントが無くなるのは寂しい気もしますね。

それに、ご無礼しますの無礼にも読み方が多数あるんですね。
うたかたの記に「なれ」という言葉が使われているのは知っていましたが、無礼という意味だったんですね。
読んだ記憶はあるんですが、意味まで覚えてないんですね、もう1回読み直した方がいいかな…。

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