
帝が京の都に邸宅を構えていた約1000年以上前から、京都は発展してきました。
中でも言葉も発展し、京から全国各地に影響があった程です。
現在も京都弁は奥ゆかしさなどもあって人気です。
人気の京都弁から、「かなんなー(かなんなぁ)」という意味の方言についてお送りしていきます。
方言
かなんなー
かなんなぁ
地域
京都府や大阪などの関西圏
意味
主に困る、嫌だという意味で使います。「かなん」だけでも使う時もあり、「暑うてかなん」という感じの言葉になります。
語源・由来
語源は元は「かなわないなぁ」という標準語では「(貴方には敵わない)」という意味の言葉でした。
それが「かなわんなぁ」と次第に関西圏の言葉に染まり、「かなんなー」または「かなんなぁ」となったと謂われています。
因みに「かまわん」という、構わないという了承の意味で使う方言もあります。
「かなん」=拒否、「かまわん」=肯定で覚えられます。少しややこしいですが。
京都の方言は京言葉ともいわれていますが、御所で話されていた公家言葉・御所言葉と、街中で話されてきた町ことば・町方ことばの2種類に大きく分けられます。
公家言葉は名の通り公家の間で室町時代初期から女官によって話されて発達してきた言葉で、明治時代以降も一部の門跡などで話されて今まで継承されてきました。
町方言葉の方は、西陣織に従事する織屋の人々が使う職人ことばや、祇園に代表される京都の花街で舞妓や芸妓により話されてきた花街ことばがあります。
他にも中京ことば、伝統工芸語、農家ことばの計5種類という、職業や地域により更に細かく分類可能な京都の方言を「町方言葉」と言います。
「かなんなー」・「かなんなぁ」の使い方
使い方、というほど意識するものではなく、普通に日常会話でぽろっと出てくる言葉の1種です。
例えば「うわっ、今雨降ってるやん。もうちょっとしたら出ようとおもっとったのに、かなんなー」という風な感じですね。
「かなんなー」の例文

(ちょっと待って、今日って物理のテストだったっけ?私聞いてないんだけど!?)
(一昨日言ってたよ、今日するって。聞いてなかったの、この教室内であんただけだよ。)


(えぇ~、テスト勉強、全くしてない!どうしよう…。)
(はぁ、困るなぁ、そんな暗い顔されたら。…私が教えてあげるから安心しな。行ってもあと10分くらいしかないけど)


(本当!?ありがとう!今度なんか奢るねぇ!)
テスト勉強を巡る教室内での一コマでした。
ちょこちょこでなく、全体的に方言が効いているので、標準語と比べると全く違う言葉にもなりますね。
まとめ
困るなぁ、という意味で使う「かなんなー(かなんなぁ)」という京都・関西圏の言葉を解説してきました。
京都は1000年もの歴史を持つ日本の古き良き都です。
そんな歴史もありますが、京都弁という京都だけにしかない言葉を使ったり聞いたりすることにより、益々京都が魅力的な都市に思えてきますよね。