
京都と言えば、言わずと知れた古くから伝わる日本文化が数多く点在する地域であると同時に国内外問わず1年中観光客が沢山訪れることで有名な都市です。
加えて神社仏閣といったパワースポットが多いことから、近年は御朱印巡りやパワースポット巡りでも大人気となっています。
中でも舞子さんや京美人が話す京都弁・京ことばははんなりとした上品さで人気の方言です。
その人気の京都弁から今回紹介するのは「てれこ」という言葉です。
音が可愛い感じの言葉ですが、この言葉の意味などを解説してきます。
方言
てれこ
方言の地域
京都府
方言の意味
京都弁で「てれこ」とは「逆」「逆さま」「順番が違う」「裏表」という複数の意味を持つ言葉です。
したがって「シャツがてれこ」と言われれば「シャツの裏表が逆」という意味になります。
元は歌舞伎言葉の1つだった?
現在でも使われている京都弁の「てれこ」ですが、実は元々は歌舞伎で使われている用語の1つで、「2つの異なる話を1つの脚本としてまとめて交互に進めること」を意味する言葉でした。
この意味と言葉が転じて、現在では日常生活にまで広まり浸透して「順番や裏表、向きが逆さま」という意味の京都弁として使われるようになりました。
方言の語源
語源候補は2つある?
この「てれこ」の語源は「手入れ」という「手を加える」の意味を持つ言葉に接尾語として「こ」が付いた「手入れこ」が、時が経つにつれて次第に現在の形の「てれこ」に変化していったという説があります。
そして「てれこ」にはもう1つ語源とする説があり、それは「人の手をいれ(てれ)て交互(こ)にする」、という言葉の略語として生まれたというものです。
この1文が「てれこ」という単語に変化するんですが、結構な字数が省略されていることが一目で分かりますね。
「てれこ」を使った例文

(あんた、またシャツ裏表逆に着てるわよ。)


(そうするといいわ、さっきからチラチラ見られて恥ずかしいわ。)
(それもっと早く言って欲しかったよ!)

まとめ
京都弁で逆さま等の意味を持つ「てれこ」について解説してきました。
照れてる子供みたいな雰囲気を持つ京都弁ですが、どちらにしろ可愛らしい言葉です。
語源も2つあるということでしたが、個人的には前者の手入れこから「てれこ」になった説の方が信憑性高いと思います。
いやだって、後者は文章はしょりすぎと思うんですよね、7文字を3文字に略すのと訳が違うんだから、ちょっとこじつけすぎじゃないかなぁ、と思っちゃいます。
どちらにしろ音と単語の字の具合が可愛い京都弁ということは間違いないんですけど。