
日本が誇る古都・京都。日本古来の分化が凝縮された地とあって訪日外国人観光客で賑わい、春夏秋冬問わず人で埋め尽くされています。
しかし実はあまり知られていない穴場観光スポットも数多くあり、二条城の南に位置する小さな庭「神泉苑」もその1つです。
池には龍神が住むという逸話があり、人混みが多い京都観光において意外なくらい静かな観光のひと時を堪能できる庭園です。
そしておっとりとしながらちょっと毒のある言葉が魅力的と言われている京都弁ですが、その中から今回は「じゅんさいな」という少し変わったこの言葉の意味や由来についてご説明していこうと思います。
方言
じゅんさいな
方言の地域
京都府
方言の意味
京都弁の「じゅんさいな」は「いい加減な」や「優柔不断」、「従順な」などという意味を持つ言葉です。
はっきりしない態度で京都府民を苛々させてしまっているときに言われたりします。
この「じゅんさい」という他県民には分かりにくい言葉でオブラートに包みながら「優柔不断」とバッサリ嫌味を言われているのです。
京都府民らしい言葉ともいえますね。
方言の由来
食用草が由来?
この京都弁「じゅんさいな」の「じゅんさい」は、「蓴菜」という水草が由来となっています。
蓴菜は澄んだ淡水の池に自生する水草で、日本では若芽の部分を食しています。
若芽の部分にはぬめりがありお箸で掴もうとしても掴めません。
したがってこの蓴菜の特徴である「掴みたくても掴めない」から「掴み所のない」、即ち「はっきりとしないいい加減なこと」を示す言葉として「じゅんさいな」という京都弁が生まれたのです。
因みに蓴菜は地域により絶滅の恐れが高く、また既に絶滅した地域もあることからレッドデータブックに掲載している地方自治体もあります。
「じゅんさいな」を使った例文


(うーん、どうしようどれも美味しそうで決められない…!)

(まだ決められないの?ケーキ2つ決めるのでもう10分以上悩んでるわよ!?相変わらず本当に優柔不断というかいい加減よね、あんた)



(しょ、しょうがないじゃない!みんな美味しそうなんだもん…!)

(しょうがなくないわよ。店員さんや他のお客さんにも迷惑になるからそろそろ決めなさい)



(うーん……、じゃあ苺のショートケーキとザッハトルテで!あっ、でもマロンタルトも捨てがたい)

(…なんで最初に戻ってるのよ。あんたって本当にどうしようもないわね)

まとめ
今回は主に京都弁「じゅんさいな」の意味などをご紹介してきました。
「いい加減な」という意味を持つ方言でしたが、水草が由来になっているとは考えづらいですよね。
因みに言うと蓴菜を食べるのは日本と中国のみだそうで、なんだかそこはかとなく食に対する貪欲さを見せつけられている感じがする2国です…。