
京都と同じく日本を代表する古都・奈良県。県内には古墳や神社仏閣が沢山存在し、古き良き日本の分化やロマンを感じさせてくれます。
また奈良県有する一大観光地の奈良公園では、鹿煎餅を国内外の観光客に強請る可愛らしくも食いしん坊な鹿の姿が日常風景と化しています。
また関西弁と一括りされることもある奈良弁ですが、実は大阪弁とも京都弁とも違う独自の言葉を取り入れた方言があります。
この記事ではそれに含まれている「まわり」という奈良弁の意味や例文と共に、奈良弁について幾つかご紹介していこうと思います。
方言
まわり
方言の地域
奈良県
方言の意味
奈良弁の「まわり」は「準備する」「用意をする」という意味を持つ言葉です。
「ご飯のまわりをする」で「ご飯の準備をする」となります。
この方言は恐らくですが、「身の回り」の「回り」=「まわり」が語源になっていると思われます。
奈良弁について
北部と西部で言葉が違っている?
奈良県は皆さんご存知の通り、遥か昔に日本の政治の中心地に当たる都の平城京があった所です。
そして平安時代以降、都が今の京都府に移ってからも奈良県は京と大阪、伊勢と高野などを結ぶ街街道として栄えていました。
しかし煌びやかな歴史を持つ奈良県、特に「奈良盆地」と呼ばれている県北中部とは異なり南の地域の奥吉野は、険しい山地が発達していることで知られる紀伊山地で隔てられていました。
その影響で周囲との交通が隔絶された結果、近畿地方にも関わらず東京式アクセントを用いるなど、特殊な方言が生まれました。
しかしこの南吉野方言ですが、マスコミの影響や過疎化、交通網の発達などにより急速に変化していっています。
「まわり」を使った例文

(もうすぐご飯だから悪いけど準備してねー)
(はーい。因みに今日のメインのおかずは何なの?)


(今日は奮発してステーキよ。なんか美味しくするためにはあんまり触ったらダメらしいけど、やっぱり焼き具合が気になって触ってしまいそうになるのよねぇ)
(焦げてたら嫌だもんねぇ。といってあまりに生でもなんか気持ち悪いし。焼くの難しいよねぇ)


(そうなのよ!簡単そうに見えて中々に扱いが難しいわ、このステーキ)
まとめ
「まわり」という言葉と奈良弁についてご紹介してきました。
しかし語源が身の回りの「まわり」と言われると確かにそうだなぁ!と凄く納得してしまいますよね。
不思議な方言が一気に昔から知っている言葉に変わり、親近感が湧いてきます。
そして奈良でも吉野の方は今も避暑地として名高い地域ですが、奈良なのにアクセントが東京式という一風変わった特徴を持っていたとは全く知りませんでした。
同じ奈良県なのに言語は日本の東西を表わす片鱗を北中部と南吉野で持っているとは、ある意味豪華とも捉えられる独自の方言の分化を育んでいたんですね。