
沖縄県では独自の方言、沖縄弁が有名でテレビでも特集が組まれ、お茶の間に流れることもしばしばです。一見全く意味が分からなくても、調べると意味は勿論、意外な過去や経緯、そして今までの歩みが沖縄弁では特に多く見られます。
中でも「くゎっちーさびら」は、皆さんも1日に1回は言う馴染深い言葉です。
しかし方言ということも相まって、意外な使い方なども知ることが出来ました。
では、その全容を解説していきましょう。
Contents
方言
くゎっちーさびら
方言の地域
沖縄県
「くゎっちーさびら」の意味
沖縄弁の1つの「くゎっちーさびら」は、食事をする前に言う「いただきます」や「ごちそうになります」という意味で使われています。
沖縄県の飲食店で食事をしようとするときや、何か食べ物を分けてもらった時にこの沖縄弁を言うと、県民の方からも礼儀正しい印象を持たれることでしょう。
沖縄弁で「ごちそうさま」「召し上がれ」とは?
いただきますの意味の「くゎっちーさびら」の反対語、ごちそうさまでしたは沖縄弁で「くゎっちーさびたん」と言います。いただきますと似ており、2つでセットの印象が持てますね。
沖縄弁に行ってご飯を食べる時は、是非ともこの2つの方言を使ってみたいです。
逆に料理を提供する側が言う「召し上がれ」は、沖縄弁にすると「うさがみーそーれ」と言います。
言葉の中に、なんだか兎が入ってる錯覚を覚える言葉です。
「くゎっちー」だけでも食事をいただく意味がある?
「くゎっちーさびら(さびたん)」は、くゎっちーとさびら(さびたん)の別々の言葉でも沖縄弁では意味のある言葉となります。
「くゎっちー」は美味しい料理・立派な食事のことの「ご馳走」のことです。
ですが豪華な高級料理や豪勢な料理でなく、食事・食べ物一般のことを指しています。
また、「くゎっちー」という単語だけでも「ご馳走になる・ご馳走をいただく」という意味を持つ言葉として使えます。
「さびら」「さびたん」は古語から来ている!?
2つ目の「さびら」は、古語の「侍る」という言葉から生まれた丁寧な言い回しで、沖縄弁の語基の後ろに付く接尾語としての機能を持っています。
また、「さびら」直訳すると「させて頂きます」という意味がある接尾語になっています。
「さびたん」ということもあり、此方の方は「さびら」の過去形の言葉であり「させて頂きました」という意味があります。
したがって「くゎっちーさびたん」と言うと、「ご馳走にならさせて頂きました」が転じた「ごちそうさまでした」を意味する言葉になります。
「くゎっちーさびら(くゎっちーさびたん)」について
「くゎっちーさびら」「くゎっちーさびたん」は若い人には通じにくい?
「くゎっちーさびら」「くゎっちーさびたん」は若い人には通じにくい?
「くゎっちーさびら」が食事前の「いただきます・ごちそうになります」で、「くゎっちーさびたん」が食事を食べ終えた後に言う「ご馳走様でした」であることは分かったと思います。
そしてこの「くゎっちーさびら(くゎっちーさびたん)」ですが、沖縄弁が都市化して標準語が浸透していくにつれて、最近の若い世代の人は以前よりもこの言葉を使われなくなってきています。
したがって、年配や祖父母と暮らしているなどの共通点がある人以外の相手や世代には、この「くゎっちーさびら(くゎっちーさびたん)」が通じない、通じにくい場合があります。
「くゎっちーさびら」を使用した例文

(あっ、お姉ちゃん美味しそうなの食べてる!それ何?)
(さっき買ってきた苺タルトよ。あんたの分も買って来てあるから食べなさい。)


(ありがとう!早速いただきます!)
(数量限定なんだから、味わって食べなさいよ)


(分かってるってば!うーん、めちゃくちゃ美味しい……ご馳走様でしたー)
(いや、普通に食べるの早すぎでしょ!?)

まとめ
沖縄弁の「くゎっちーさびら」などについて書いてきましたが、如何でしたでしょうか?1つの言葉で1つの意味と思いきや、其々で別の意味があるのは斬新でした。
また、「めんそーれ」もそうですが、沖縄弁には古くからある日本の言葉が深く関係していることを改めて感じました。
そして高度成長期から都市化が進み、共通語や標準語が浸透し、逆に方言が失われていくのはある種の通らなければいけない道だと言われているかのように多数の都道府県でもあるので、仕方ないとはいえ寂しい気がします。
ですが地域によっては方言の保存会なども発足されているようなので、全ての方言が無くなるわけではないのが救いですね。