日本全国に点在する方言のなかでも、特に難解な言葉が多いのが沖縄弁です。
または沖縄語や、主に話される地区から沖縄中南部方言と指すこともあります。
その独特の言葉は度々話題になり、現地民以外でも「めんそーれ」や「はいさい」などの方言の意味を理解しているなど、少し不思議な方言の1つでもあります。

そんな特徴的な沖縄弁の中でも有名な「なんくるないさー」の意味などをご紹介していくのですが、今まで理解していた「なんくるないさー」とは、ちょっと変わっているものになっていると思うので、是非目を通して行って欲しいと思います。

沖縄弁「なんくるないさー」の意味

先程も書きましたが、「なんくるないさー」は沖縄弁の中でも有名な言葉の1つで、「なんとかなるよ」「大丈夫だよ」というニュアンスで取っている方が多いと思われますが、実はそうではなく、もっと深い意味と歴史が、この言葉には詰まっているのです。

この「なんくるないさー」、言葉の前に来る別の言葉があるのです。それは「まくとぅそーけーなんくるないさ」と言い、これこそが本来の「なんくるないさー」だそう。

「まくとぅそーけ」が「正しいこと、真(誠)のことをすれば」
「なんくるないさ」がご存知の通り「なんとかなるさ」を意味しているので、
訳すると「挫けずに正しい道を歩む努力をすれば、いつかいい日が来る」という言葉になるそうで、決して「何とかなる」という単純な言葉ではないそうです。

沖縄弁「なんくるないさー」の歴史

このことを知ると、一気に重い言葉に変わってしまいますが、この言葉が生まれた裏側には、沖縄・琉球の歩んできた歴史に関係があります。
琉球は琉球王国として統一王朝が出来ましたが、地理的な条件もあり、隣の中国に寄り添っていました。

しかし、徳川幕府が出来た頃から、薩摩藩所謂今の鹿児島県に干渉され始め、属国のような立場になります。
琉球王国体制は維持していましたが、年貢などは薩摩藩に納めていたのですが、中国に属国のことがばれると戦争になってしまうので、迷った末に「両属」という、どちらの国にも属国として振る舞うことを選ぶしかなくなりました。

琉球王国は明治維新で突然沖縄県になり、日本の一部になって更には昭和に入ってからは太平洋戦争が勃発し戦争の舞台となり様々な残虐な悲劇が生まれ、終戦後にはアメリカの統治下に置かれます。

時代という波に振り回され、色々な苦労を重ねてきた琉球王国と沖縄県。
そんな激動の中、いつの間にかこの「まくとぅそーけーなんくるないさ」という言葉が生まれたのです。そんな事実と背景を知ると、この言葉がより身近に、リアルに感じられます。

「なんくるないさー」の例文

美奈
美奈
痛っ!嫌だ、指切っちゃった
大丈夫?料理ならわんちゅいんれーなんとかなるから、止ちーして休んどきなよ
(大丈夫?料理なら私一人でもなんとかなるから、止血して休んどきなよ)
皐月
皐月
美奈
美奈
ありがとう、そうすん。絆創膏まーだっけ~
(ありがとう、そうする。絆創膏どこだっけ~)
あんすかちー がいじゅんようなら、病院行きなよー
(あんまり血が出るようなら、病院行きなよー)
皐月
皐月
美奈
美奈
なんくるないさー、自然んかいのーゆんから
(なんでもないよ、自然に治るから)

料理中での出来事を沖縄弁で表わしてみました。
標準語が入り混じりながらも、予想だにしない所に沖縄弁が入るので、新鮮で何を言っているのか全く分かりませんね。
雰囲気で分かるようになれ、としか言えない感じですね。

まとめ

「めんそーれ」という1つの方言を中心に、意外な言葉の裏側まで覗き見れた回でした。
沖縄だけでなく、時代の波や戦争などに翻弄された国や歴史は数多くあります。そんな中でも人は前に向かって前進する生き物である、ということをこの「まくとぅそーけーなんくるないさ」から思い知らされた気がします。

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