【大阪弁】大阪府の方言「とらまえる」の意味と例文

方言

とらまえる

方言の地域

大阪府

方言の意味

「とらまえる」の意味は「とらえる」「つかまえる」「ふまえる」という意味です。

2つの言葉が合体していた?

大阪弁の1つである「とらまえる」。
この言葉には「捕まえる」と「捉える」という言葉が含まれています。
意味から予想出来ると思いますが、この「とらまえる」は「捕まえる」と「捉える」が合体して生まれた方言です。

泥棒などの悪者を捕まえて捉えるときなどに使われている言葉で、かの文豪・夏目漱石の代表作の1つ『坊ちゃん』の作中にも「そんなにえらい人をとらまえて、まだ坊ちゃんと呼ぶのは~」と、1文の中に使われているのが分かります。
大作家と同じ言葉を使っているのだと思うと、誇らしくもむず痒くなりますね。

「とらまえる」を使う地域

西日本で広く使われていた!

大阪弁だとこの記事では紹介している「とらまえる」ですが、実は他の西日本の地域でも使われています。大阪の言葉を収録した辞典にも勿論意味が2つ紹介されていますが、全国の方言を収録した事典にも詳細が掲載されています。

曰く、静岡県や愛知県中嶋郡と岐阜県大垣、富山県と三重県阿山郡に和歌山県東牟婁郡、大阪府に愛媛県、そして山口県という広い地域で「とらまえる」として、同じ意味でも「とらまける」という言葉として京都府と丹波篠山市(前の丹波市)で使われているようです。

静岡県と富山県よりも西にあたる関西圏の広い地域で使われている言葉だと分かります。
しかし、主に40代や50代くらいの人が良く使う方言で、若い人はあまり使わない傾向があるそうです。
かくいう関西在住の筆者も聞いたことがありません。若者の方言離れと関係しているのかもしれませんね。

「とらまえる」の使い方

みな
みな
ちょっとあんた、そこにおるチビとらまえといて!
(ちょっとあんた、そこにいるチビ捕まえて捉えておいて!)

分かった!……、も~、チビあんたまたお姉ちゃんの部屋から何か盗んだんか?相変わらず悪いやっちゃなぁ~
(分かった!……、も~、チビあんたまたお姉ちゃんの部屋から何か盗んだの?相変わらず悪いやつねぇ~)
さつき
さつき

みな
みな
ありがとう、探す手間が省けたわ。この子私のベッドに置いておいたヘアバンド盗んでん。やっぱり口に咥えて間抜け面になっとるわ!返してもらうで!
(ありがとう、探す手間が省けたわ。この子私のベッドに置いておいたヘアバンド盗んだのよ。やっぱり口に咥えて間抜け面になってるわ!返してもらうわよ!)

暇なんは分かるけどな、人のもん盗んだらあかんで~!チビ
(暇なのは分かるけどね、人のもの盗むのはだめよ~!チビ)
さつき
さつき

「とらまえる」の例文

  1. そいつをとらまえろ(そいつを捕まえろ)
  2. 消費者のニーズをしっかりとらまえる(消費者のニーズをしっかりふまえる)
  3. この資料を社長がどうとらまえるかですね(この資料を社長がどう捉えるかですね)
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