
日本有数のお茶の産地として有名な静岡県。
南には下田を始めとしたビーチや温泉地として有名な伊豆半島があり、日本最高峰で世界遺産にも登録されている富士山も一大観光地として世界的に人気がある県でもあります。
そんな静岡県で話されている静岡弁は、意外かもしれませんが標準語とは少し違った言葉が溢れています。その中から「くすがる」という標準語でよく知られた言葉にそっくりなこの静岡弁の意味や、例文を一緒にご紹介していきます。
方言
くすぐがる
方言の地域
静岡県
方言の意味
静岡家弁で「くすがる」は「刺さる」という意味を持つ言葉です。
したがって静岡県では「針が刺さった」を「針んくすがった」と言います。
因みに標準語の「くすぐる」とよく似ていますが意味が違うのでご注意ください。
方言について
実は使い方が難しい!?
静岡弁の「くすがる」ですが、実は用途が広くなく故に使い方が少し難しい方言でもあります。
それというのも「くすがる」や「くすがった(刺さった)」という使い方はありますが、「くすぐられる(刺される)」や「くすがす(刺す)」という使い方、用途はありません。
刺されたという意味だけじゃない!?
また刺されたものにより使い方がないものもあり、一般的に使われる「蚊に刺された(くすがれた)」という表現はありません。更には刺された、という意味で使われている筈なのに何かにぶつかって物が変形した様子を表わす時にも使ったりします。
例えば自転車が何かの拍子に金網にぶつかって変形した時に「自転車が金網にくすがった(衝突してた)」と使います。この場合、「くすがる」で「刺される」ではなく「めりこむ」という意味での解釈も成り立ちます。
「刺された」という意味だけではない塚方をするとは、実に不思議な方言といえますね。
「くすがる」を使った例文

(どうしたの?あ、針が手に刺さって血が出てるじゃないの。絆創膏出してきたから、貼っておきなさい)


(そりゃあ刺繍は初めてなんだから刺して当たり前でしょ?プロだって刺すこともあるんだから)


(そうなんだけど、1時間に1回もだと流石に心が折れそうになるのよね)
まとめ
「くすがる」という「刺された」を意味する静岡弁についてご紹介してきました。そして意外と用途が狭く。また使い方や表現方法も変わっているという、ちょっと変わった特殊な方言ということも分かりましたね。
それにめり込んでいることも「くすがる」と言うようですが、刺されたと全くと言っていいくらい違う意味なのに同じ方言でいいんでしょうかね。改めて振り返ってみても、過去に例を見ないくらいに変わった方言でした。