【山口弁】山口県の方言「えーころはちべーなね」の意味と例文

14世紀に渡る歴史を持つ山形県。
当時の大名が京都を模した街づくりをしたことから、「西の京」とも呼ばれていたりする山口県ですが、方言と言われるとどんな言葉が頭に浮かぶでしょう?

筆者自身は失礼ですがパッと思い浮かびませんでした。
しかし、探ってみると色々新鮮で聞いたことないような言葉、方言が多いのです。
そんな方言の中から、「えーころはちべーなね」の言葉の意味、そして例文を今回はご紹介します。

方言

えーころはちべーなね

地域

山口県

意味

いい加減な人だな。
「えーころ」がいい加減、「はちべー」が人という意味の単語です。
うっかり八兵衛とは違いますのでご注意を。
この「人」という意味のはちべーですが、標準語に直すときはこの単語だけで「いい加減」とするときもあるそうです。

また、「えーころ」だけ使う時はいい加減でも「良い加減」「良い塩梅」という良い方の意味で使いますが、そこに「はちべー」を合わせると途端に良くない意味で使う言葉に変化する、という特徴があります。

山口弁の由来

「えーころはちべーなね」などの方言が話されている山口弁。
その分類は、同じ中国方言の広島県西部方面の安芸方言、島根県西部の石見方言と共に、西中国方言の属されるとされています。
また、中国地方南部に分布している山陽方言にも属されることがあります。

因みに山口弁は防長方言、長州方言、防長弁、山口ことば、萩ことばなどと呼ばれることもあります。
山口方言自体は先程書いた通り、中国方言に属していますが、県西部を中心に九州地方で話される九州方言との関係もあり、したがって語彙や一部の穏便において北九州方言との共通点が多く見られます。

そのようなことから、県西部で話される長門方言は、中国方言と九州方言の境界域方言と言われることもあります。

また、山口方言は、他の地域の方言と比べても地域内の方言差が小さいことが特徴で、これには江戸時代、山口県域の殆どを長州藩が支配し、他の残りの地域も長州藩の支藩である長府藩・清末藩・徳山藩・岩国藩に治められたことから、地域内の一体性が強く保たれ、今に至っていると考えられています。

「えーころはちべーなね」を使用した例文

みな
みな
あの先輩、まぁた書類で同じところ間違えて課長に怒られちょったわ。これで何回目よ?
(あの先輩、まぁた書類で同じところ間違えて課長に怒られてたわ。これで何回目よ?)

5回目じゃったっか?何回間違えんだって話じゃ。よいよえーころはちべーなね
(5回目だったか?何回間違えてんだって話だよ。全くいい加減な人だな。)
たく
たく

みな
みな
ま、おだん達はあの人みたく同じ間違いせんように気を付けましょ(ま、私達はあの人みたく同じ間違いしないように気を付けましょ)

あの人と同じようにいい加減な人になりたくない、という忠告めいた意味として使いました。

まとめ

今回は山口弁の中の「えーころはちべーなね」という方言を中心に、山口方言の成り立ち・由来などを紹介してきました。はちべーってどう見ても固有人物指す言葉なのに、「人」っていう意味とか吃驚しました、ビックリ八兵衛…。

例文にちょっと登場しましたが、「よいよ」で全くという意味を持ってたりしますしね。
良いっていう意味かと最初は思っちゃいます。
また、由来でも書きましたが、地域内でも結構意味が通じない言葉を他県が話す中、山口弁は地域差がないというのも新鮮でした。関西弁でも言う言わない所があるんですが、衝撃ですね。

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